日常生活で私たちはどれくらい紫外線を浴びているのでしょうか。日常生活における紫外線の被爆量を測定したところ、主婦の紫外線被爆量は、意外に多い事が発覚しました。主婦は紫外線の強い時間に屋外に出かける機会も多く、日やけを起こす量の紫外線を浴びている事が多いのです。


日陰だから大丈夫と安心するのは危険です。紫外線には太陽から直接届く直達光と、大気中の微粒子などによって散乱された光の散乱光、そして地面などからの反射光があります。
紫外線はその半分以上が散乱光です。このため、たとえ太陽に背を向けていても、顔面は紫外線を浴びる事になります。尚、一般に地面からの紫外線の反射率は5%以下と小さく、あまり気にする必要はありません。
(しかし、下が雪の場合では、反射率が70%を超え、夏と同程度か、より強い紫外線を浴びることになります。)

紫外線の半分以上が散乱光であるので、日陰でも紫外線はあなどれません。右のグラフは、木の高さ約15m、影の長さ6mの木陰の中で、人の顔面が浴びる紫外線量を測定したものです。測定は、日向と、日向から木陰の奥へ1m間隔で入って行った時の紫外線量を、太陽の方角に向いた場合と太陽に背を向けた場合とで行いました。(東海大学総合科学技術研究所 佐々木教授との共同研究)

太陽の方角を向いている場合には木陰の奥に進むほど紫外線量は減少します。しかし太陽に背を向けている場合には、木陰に入っても、日向にいるときと紫外線量は変わらないのです。


木陰の中には紫外線の直達成分はありません。太陽の方角を向いている場合、木に近づくほど散乱成分も遮られ、浴びる紫外線量は減少します。一方、太陽を背にしている場合、木に近づいても散乱成分は変化しないため、日向でも木陰でも同じ放射量になったと考えられます。
このように、木陰のような物理的遮蔽物の陰にあっても、向いている方向によっては、日向と変わらない量の紫外線を浴びる可能性があるのです。
帽子をかぶっているときはどうでしょうか。帽子の紫外線防止効果について測定を行いました。(東海大学総合科学技術研究所 佐々木教授との共同研究)
帽子のつばの長さが長いほど、またつばも全方向にあるハットタイプの帽子の方が紫外線の帽子効果が高い傾向にありました。しかし、標準的なつばの長さである7cmのものでも、コンクリートでは60%程度、雪面では20%程度しか防御効果がなく、帽子だけでは100%の紫外線防御にならないのです。
![[帽子をかぶらない場合を100%としたときの相対値]青:太陽高度 65°コンクリート(1997/6/27 13:20)/オレンジ:太陽高度 30°雪(1998/1/9 13:00) 帽子による太陽UV-Bの防御効果 資料:東海大学総合科学技術研究所とカネボウ化粧品の共同研究](images/index_img_07.gif)
このように、日常生活でも私たちは紫外線に十分さらされています。うっかりしていると日やけしてしまう危険が十分あります。ですから、生活紫外線対策をしっかり行い、うっかり日やけを防ぐことが大切です。
MED=Minimal Erythemal Dose
日本語訳は「最小紅斑量」といい、皮膚を赤く日やけさせるのに必要な紫外線量のことです。一般に1MEDの紫外線量とは、真夏の昼間に約20分間、甲羅干しをしているときに背中が浴びる紫外線量程度といわれています。